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ヘラは製本の時に非常に重要な道具です。ヘラと言っても色々な種類があります。

 

bornholder setumei
写真左から 
1.テフロンのヘラ テフロン素材で出来たヘラ。紙を折る時に使います。
やわらかい素材で出来ているので紙を折る時に紙の表面を潰さず傷つけずに折る事が出来ます。紙はこのヘラで折って下さい。
2.水牛の角のヘラ 通常のヘラと同じです。見た目の問題。
3.4.5.6.パッセカルトンの時に使う専用の牛骨ヘラ
7.和裁用の牛骨ヘラ 別名カケヘラとも言います。和裁の際に生地に印をつける際、このヘラを使います。
元々綺麗に使える様に削り出しがされているので、初めての方はコチラをオススメ致します。背固め等は、このヘラでやると便利です。
8.牛骨ヘラのミニサイズ 手のひらサイズなので、細かい所の作業用に先を尖らせる事も。
9.牛骨ヘラ(外国製)の元々の形。エッジ等は出ておらず、無垢の状態です。
本来は自分仕様にカスタマイズするものなので、大まかにしか形成されていませんので購入したままでは使う事ができません。
以下では、そのヘラをどう形成するかを説明致します。

hera newyasuri
まずは、削る為の道具を紹介致します。
紙ヤスリを使いますがそのままの状態ではやりにくいです。
持ち手の付いた状態にしておくと、非常にはかどります。
商品でもありますが、自作で簡単に作れます。
ヘラ削り板セットもご参考にどうぞ。
削る際はかなり粉が出ますので、マスクも必需品と言えます。

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主に、牛骨のヘラは筋をつける事に使います。指のツメの様な役目です。
上図にある様に、エッジを付ける必要があります。

また、両サイド使える様に削ってあげると便利です。
紙ヤスリで削っているとエッジがつきやすくなり、逆に鋭くなり過ぎる傾向がありますので、
その場合は最後、紙ヤスリペラの状態のものを包む様に削って少しだけ丸みを付ければOK。

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こちらは和裁用のヘラ。同じくエッジを付けておきましょう。

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ヘラを削ったらオイルを染み込ませてあげるとより丈夫になります。
油絵の定着油である「リンシードオイル」を使います。他の油はやめて下さい。

hera oil
普通の容器でも良いのですが、丁度良い容器でないと油が勿体無いです。
ひたひたになる程度で構いません。24時間以上付ければ浸透します。

油から出したら、食器用の中性洗剤を使って表面を洗い流して下さい。
石鹸では表面のべたつきが取れません。洗ったら、完成です!
リンシードは固着までに2~3ヶ月かかります。
その期間の間は通気性の悪いビニール製の筆箱や、クリアファイルに挟んだりしないで下さい。
通常通り使えますが、徐々に内部が固まっていますので呼吸しやすい様にむき出しにしておく事をオススメ致します。

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時間が経つと、飴色になる。酸化すると色がつく特徴があるのがリンシードです。

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エッジは使っていると丸くなって来ますので、定期的にメンテナンスして下さい。
落とすと割れますので、欠けたら削り出しをしてあげましょう。
色々な作業用にオリジナルの形をしたヘラを作ってみてはいかがでしょうか?
各国の製本家はそれぞれオリジナルのヘラを作って持っているものです。