表紙の装飾に「はめ込み」と「ゴム通し」があります。一番基本となるアレンジ方法を覚えましょう。
「はめ込み」とは、タイトルを入れたりする時に使うテクニックです。
いちばんわかる手製本レッスン~手でつくる本と基本技法 P55もあわせてご覧下さい
「ゴム通し」では、穴を開けて通すやり方を説明致します。
今回作るのは,リサイクルしたものを利用してみたいとおもいます。1970年の切手と、印刷された本文紙のトンボの外側部分を
使いたいと思います。
トンボの罫線が,なんとなく可愛いので今回は残してみます。
あまり紙を使っているので、天地も短めです。今回100mm程度の天地。左右はあまり分を四等分に折り畳んだらこんなサイズに
なりました。なので,持っている紙の成り行きでこういうサイズになったのです。天地が短いので,縦軸も減らしました。
背固め、寒冷紗貼り,花布(はなぎれ)までつけた所。これからいよいよ表紙の製作です!
▶かがりを知りたい方は、いちばんわかる手製本レッスン~手でつくる本と基本技法 P46〜角背上製本をご覧下さい。
2mmの表紙ボールを切出しをしたら,はめ込みたい素材の寸法を出して下さい。
次に,配置したい場所に書き出しを行いますが,その際サイズを四方+2mm大きいサイズで線を引きます。
四角いものをはめ込む際、少しのゆがみも気になりますから、端から線を引くなどしてゆがみが無いかどうか確認しながら
書き出ししましょう。
カッターで切り出しをするのですが、思っているより深く切り込みを入れても大丈夫です。また,角は2mm程度突き抜けて
刃を入れておくと綺麗な角が出来ます。
カッターで半分の深さを持ち上げると簡単にめきめきっ!とはがすことが出来ます。若し,簡単に行かない場合は、たいてい
浅すぎるのが原因です。
綺麗に抜けました!
クロスを切り出し,ボールを貼る際に気を付けて欲しいのは、段々の所にプラスボンドを足すということです。より良く着く為に、
ちょっとした工夫です。まずはのりボンドを全面にぬり,凹んだ所にたまらない様にかき出してから,ボンドをなぞる様にぬって下さい。
プレス機がある人は、フエルトをかませてプレスして下さい。
上からヘラで凹み部分をなぞります。牛骨のヘラでも構わないのですが、変なテカリが出る事があります。写真でも使っている
テフロンのヘラがおすすめです。
へこみが出て来ました。
なじませていると結構はっきりと出て来ます。
表紙に紙を貼っている方は、破きやすいのでゆっくり丁寧に伸ばしながらこの作業は行って下さい。
四方のくるみを行って下さい。まずは天地から。
そして左右を包みます。
四方包み終わったら、はめ込み素地にボンドをぬってはってあげましょう。平とのバランスを取りながら目で確認して貼りましょう。
本文との合体。まずは背中から。ボンドをぬります。
本文を中に入れてチリを確認し,溝にヘラを入れてしっかりとなじませましょう。紐を掛けても安定します。これで15分くらい
置いておくとボンドが固まり,安定しますのでそれまで次の作業は控えて下さい。
今回は,表紙にゴムを渡してみましょう。使う道具は平目打ちです。無い場合は,彫刻刀の平でもok
ゴムの幅よりちょい大きめがベストです。
ゴムを渡したい位置を決めて、裏表紙の表から穴を開けます。一回開けたら,平目打ちを抜かずに前後左右に揺らして下さい。
そうすると適度な穴に広がります。
穴を開けた裏側に、20mm程度の長さのエンボスをつけておきます。はめ込みの要領で1mm程度のへこみをつけましょう。
表からゴムを入れます。スパチュラという道具を使って一緒に入れて下さい。少し穴を広げていると簡単に行くはずです。
一旦表紙を戻し,ゴムの長さを決めます。少しキツいくらいがベスト。長さが決まったら,エンボスをしていた所にはまる様に
カットしてボンドで貼って下さい。
最後に,見返しをのりボンドで塗って,表紙を倒してプレス掛ければ完成です。見返しで完全に蓋をしてしまうので,外れる事は
ありません。エンボスもしているので,見返しがぼこぼこせず綺麗です。
こんな感じに裏表紙から出ています。
完成です!是非お試しあれ〜