大切な本は綺麗にしたい。壊れた所を直してあげたい!という事で、一番簡単な修理の現場をお見せ致します。
コチラの本は新書判、表紙は布で、プリントしてありました。とりあえず、汚い。
剥がしてみると、表紙の裏打ちが綺麗にとれました。
先ずはざっくりと消しゴムをかけますが、もしこれに耐えられない紙でしたらやめて下さい。
ひとまずこんな程度に軽く汚れとり。ただ、やはり汚い感じは拭えません。
洗う事にしました。水を染み込ませたら、匂いは凄いし、変な色も出て来ました。
幸い、印刷が落ちなかったので、強行に洗浄です。ブラシで丁寧に擦り洗い。
少しだけ衣類用の洗剤を投入しました。
事細かく綺麗にします。
気がすむまで洗ったら、きちんとすすいで裏打ちです。
本文の壊れに入ります。破れた部分に面相筆で糊をぬり、
和紙の包帯を施し、プレス。
背中に付いた糊も綺麗に省きました。
内側からは短冊状に切った和紙を貼り合わせる。
折丁の背中に全て和紙を貼ってあげました。
ぴしっとすると気持ちが良いです。
目引き作業。
このように目引きをします。古い本は本文紙がかなり劣化していますので慎重に。
ここからは通常の製本です。糸かがり。
かがり終えました!きちんとギャルドブランシュもいれて。
この素朴な感じを生かしたくて、花ギレもあまり変わらない色でやりました。
チリも元々大きめ(5mmくらい)だったので、再現しました。
汚れは相変わらず残っていますが、それが味になっていい形で復元致しました。
雰囲気を壊さず、修理するのも楽しいです。